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公正証書ってなんだろう?

行政書士の橋岡です。今回のタイトルはずばり!【公正証書】についてです。

公正証書・・・この四文字熟語?(笑)のイメージと言えば、

1.堅苦しい

2.なんか怖い文書

3.難しそう

4.とにかくよくわかんない

などでしょうか。実際に私も【公正証書】という単語に初めて触れたのは建築営業をしているときに事業用定期借地の契約の際の公証役場での手続きを当時の上司に連れられて一緒に行ったときにです。それまで公証役場という施設の存在すら知りませんでした。なのでよくわからずその場で公証人が呪文のように唱える契約書の内容をぼーっとしながら聞いていました。そんな状態だった私がいまでは公証役場と直接やり取りをするような仕事をしています。人生ってわからんもんですね(笑)。ともあれ【公正証書】を語る上で避けては通れないキーワードがあります。【公証制度】【公証人】【公証役場】です。順番に説明していきますね。

1.【公証制度と公証人】そして【公証役場】とは

法務省のサイトに公証制度について記載があるのでここから抜粋します。

※赤字は私のコメントになります。個人的な見解もありますのでご容赦下さい。

 公証制度とは,国民の私的な法律紛争を未然に防ぎ,私的法律関係の明確化,安定化を図ることを目的として,証書の作成等の方法により一定の事項を公証人に証明させる制度です。←つまり約束したことを文書にして確かに【約束】しましたよー!!って偉い人が証明してくれる制度。これによりあとあと言った言わないでもめ事になることを防ぐ。

 公証人は,国家公務員法上の公務員ではありませんが,公証人法の規定により,判事,検事,法務事務官などを長く務めた法律実務の経験豊かな者の中から法務大臣が任免し,国の公務をつかさどるものであり,実質的意義における公務員に当たる(刑法の文書偽造罪等や国家賠償法の規定にいう「公務員」に当たる)と解されています。←とっても偉い人!

 公証人は,取り扱った事件について守秘義務を負っているほか,法務大臣の監督を受けることとされ,職務上の義務に違反した場合には懲戒処分を受けることがあります。

 公証人は,法務省の地方支分部局である法務局又は地方法務局に所属し,法務大臣が指定する所属法務局の管轄区域内に公証役場を設置して事務を行います。

 公証役場とは,公証人が執務する事務所のことです。

 公証人は,全国に約500名おり,公証役場は約300箇所あります。←全国規模で言えばそんなに多くはないように感じます。全国に500名、かつ300か所しかない中で色んな公証事務をされるのでとっても大変なのではないでしょうか。

 公証人は,職務の執行につき,嘱託人又は請求をする者より,手数料,送達に要する料金,登記手数料,日当及び旅費を受けることとされており,その額は,公証人手数料令の定めるところによっています。公証人は,これ以外の報酬は,名目の如何を問わず,受け取ってはならないとされています。このように,公証人は国から給与や補助金など一切の金銭的給付を受けず,国が定めた手数料収入によって事務を運営しており,弁護士,司法書士,税理士などと同様に独立の事業者であることから,手数料制の公務員とも言われています。←【公証人は国から給与や補助金など一切の金銭的給付を受けず,国が定めた手数料収入によって事務を運営しており,弁護士,司法書士,税理士などと同様に独立の事業者である】これは私も知りませんでした。ある意味で公証役場を利用する人はお客様であり、公証人はどちらかと言えば我々士業に近い存在なのかもしれませんね。

法律家を長い事やってらした方々が法務大臣に任命されてその任に就くみたいです。なんだかとてつもなく怖いイメージですが、でも実際の公証人の方々は気さくで優しくて、腰が低くて話しやすい人が多いと私は感じます。

さてここからが本題です。公正証書とはいったいなんでしょうか?またまた法務省のホームページを抜粋しますね。

【公正証書】とは,私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により,公証人がその権限に基づいて作成する文書のことです。 一般に,公務員が作成した文書を公文書といい,私人が作成した私文書とは区別されています。公文書は,公正な第三者である公務員がその権限に基づいて作成した文書ですから,文書の成立について真正である(その文書が作成名義人の意思に基づいて作成されたものである)との強い推定が働きます。これを形式的証明力ともいいます。文書の成立が真正であるかどうかに争いがある場合,公文書であれば真正であるとの強い推定が働きますので,これを争う相手方の方でそれが虚偽であるとの疑いを容れる反証をしない限り,この推定は破れません。公文書が私文書に比べて証明力が高いというのは,このような効果を指しています。←私文書(私たちがうちうちで作った契約書とか合意書など)を公文書(公正な文書)として作成する。これが公正証書というやつなんですね。いわば我々が作成した契約書は公正証書を作成する上では下書きや公正証書にする上での案として採用されます。もちろんすべての契約書や合意書が公正証書でなければならないわけではないのですが、少し手間でも相手が守ってくれる可能性に心配があるのであれば公正証書にしておくことで約束事の存在を裁判等で争う必要がなくなるというすごく便利なものでもあるんです。あとは今であれば株式会社の原始定款(ホームページの会社定款の欄を参照ください)は公証役場で認証してもらい、公文書として作成しなければ有効ではありません。その他にも,金銭債務,すなわち金銭の支払を目的とする債務についての公正証書は,債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている場合は執行力を有します。「執行力」というのは,債務者が契約等で定めた約束に違反して債務を履行しなかった場合,債権者において強制執行をすることができる効力をいいます。この執行力を有する公正証書を,特に「執行証書」といいます。←離婚協議書はこの分類になることが多いです。

 執行力は,通常,裁判所に訴えを提起し,原告の請求を認容する勝訴判決が言い渡され,しかもその判決が確定しなければ発生しません。訴えを提起して確定判決を手にするまでには,相手方の対応にもよりますが,通常ある程度の期間と訴訟費用その他の出費を必要とする上,確定判決を得たとしても,相手方が既に経済的に破綻しており,強制執行をしても何も得られないという場合も少なくありません。同様に裁判所において作成される和解調書や調停調書にも執行力が認められていますが,いずれにしても裁判所を経由しなければなりません。これに対して,執行証書を作成しておけば,裁判を経なくても迅速に執行力の付与を受けることができるのです。←これは非常に大きい事だと思います。ぜひ公証制度をもっと利用すべきです。


 このように,大切な権利の保全とその迅速な実現のために公正証書の果たす役割は,非常に大きいといえるのです。

続いて公正証書の種類です。またまた法務省ホームページより


①契約に関する公正証書

地や建物の売買,賃貸借,金銭消費貸借などの契約に関する公正証書が一般的ですが,贈与,委任,請負など民法が定める典型契約以外にも,土地の境界線をお互いに認め合うための合意,チェーン店経営に関する契約など様々な契約に関する公正証書を作成することができます。どのような内容の契約でも,法令や公序良俗に反するなどの無効原因がなく,行為能力の制限による取消しの対象とならないかぎり,公証人は,公正証書の作成の嘱託を拒絶することは許されません。

 また,最近は,公正証書によることが法令上予定されている契約も増えています。

 平成12年3月1日から,借地借家法の一部を改正する法律によって創設された「定期建物賃貸借制度」が施行されています。この制度は,期間の定めがある建物の賃貸借契約をする場合,公正証書等の書面によって契約する場合にかぎり,契約の更新がなく期限の到来によって契約が終了するものと定めることができるようにしたものです。←先に書いた事業用定期借地契約はこの制度により公正証書にするのです。

 平成12年4月1日から,新しい成年後見制度が施行されています。これは,高齢社会への対応と障害者福祉の充実を目的とするものですが,その一環として,「任意後見制度」があります。これは,認知症などにより判断能力が不十分な状況に陥った場合に備えてあらかじめ代理人(任意後見人)を選任し,自分の生活維持や療養看護,財産管理のために必要な事務などを代わってしてもらうための任意後見契約を締結することを内容とするものですが,これは必ず公正証書によらなければならないものとされています。←これは重要です。公正証書にしないと悪い事考える人が増えますから。

 平成19年4月1日から,離婚時年金分割制度が施行されます。この制度においては,社会保険庁長官に対する標準報酬改定請求等を行うため,年金分割の申立ての添付資料として,裁判所の確定判決などのほかに,婚姻当事者間の合意を証する資料として,公正証書が定められています。←年金分割については詳しく解説する機会をどこかで設けます。


②単独行為に関する公正証書

契約のように相対立する当事者の間の合意に関してだけでなく,一人の当事者の意思表示の内容を公正証書で明らかにする単独行為に関する公正証書の作成も行われています。

 その典型が,遺言公正証書です。遺言は,自分の死後に,その財産を誰にどのような割合で残すのかを決めたり,自分を虐待するなどした相続人を廃除したり,婚外子を認知したり,先祖のお墓を誰に守ってもらうかを定めたりするなど,自分の死後のことを明確に決めておくための一種の法律行為です。

 一定の方式に従ってされた遺言は,そこに示された遺言者の意思どおりの効果が認められますので,相続を巡る紛争の防止と権利の迅速・的確な移転に大きな力を発揮します。←こちらは広く一般的にも有名なのではないでしょうか。いわゆる【公正証書遺言書】というやつです。余談ですが、遺言書は上記自筆遺言と公正証書遺言と【秘密証書遺言】というのがあります。


③事実実験公正証書

権利義務や法律上の地位に関係する重要な事実について公証人が実験,すなわち五官の作用で認識した結果を記述する公正証書を事実実験公正証書といいます。例えば,土地の境界の現況がどうなっているかを,公証人が現地へ赴いて確認した結果などを記載します。将来の争いを防ぐ目的で現状をあるがままに確定しておくためのものですから,一種の証拠保全手段です。銀行の貸金庫の中に何が保管されていたかを明らかにしたり,特許の関係で特許権の成立以前から同様の発明が既に存在し,使用されていたことにより成立する「先使用権」の存在を証明する物品や書類・記録などの存在を明確にして,後日の紛争に備えるなど,様々な目的のために活用することが可能です。

 その他,人の意思表示や供述の内容もこの証書で証拠化することができます。例えば,いわゆる尊厳死の意思表示や,企業秘密に関する資料を持ち出した者について,その動機や経過などに関する供述などもこの事実実験公正証書に記載しておくことが可能です。将来の紛争を防止するという目的のために,非常に活用範囲の広い公正証書です。←正直に申し上げますが、私はこの分野には明るくありませんので、よくわかっていません。なのでコメントは差し控えます(笑)。


このように公証制度と公証人、そして公正証書とは私たち国民の生活に実は非常に役立つものでもあり、掘り下げていくとそんなに難しく考えるようなものでもないんですね。ただ、すべての契約時に必ず必要な手続きかと言うとそうでもなく(先に話した公証役場での手続きを経ないと効力が発生しない定款認証などは除く)、どちらかと言えば必要かどうか判断に迷う代物であるとも言えます。なので、人生においての一大イベントや多額の金銭、不動産が絡む契約、遺言などで公証制度を利用する方が多いのではないでしょうか。もちろん離婚協議書(合意書)での公証制度利用も多いです。協議離婚であれば少しお金と手間がかかりますが必ず協議書を作成し、公正証書に残しましょう。もちろん、夫婦間で協議と合意が調えばの話になりますが。当事務所では協議離婚における離婚協議書の作成、公証役場手続きを取り扱い業務としています。当事務所が作成した資料をご利用頂き、相談者様主導で協議を進め、決定した権利義務に関して協議書(合意書)を作成、公証役場へ連絡を取り、本業で忙しい相談者様に代わり公正証書作成の段取りをします。あなた様のお悩みを私に共有させてください・・・。

最後は事務所の宣伝になってしまいました。ごめんなさい。

今回はここまでとします。いかかでしたか?最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました!ではまた。

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